【旅の準備編】ウラジオストクからイギリスを目指す旅の構想について

シベリア鉄道といえば、ロシアの首都モスクワと日本海に面した極東の都市ウラジオストクを結ぶ路線として知られる。2016年、憧れのシベリア鉄道にウラジオストクで乗車し、モスクワ、ヘルシンキを経てヨーロッパをぐるりと旅する計画を立てた。その旅の構想段階について記します。

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ウラジオストクとモスクワを結ぶシベリア鉄道

「シベリア鉄道」と一般に呼ばれるのはロシア国鉄が運営する路線のひとつで、モスクワとウラジオストクを結ぶ長距離路線である。休みなく乗車すれば、両都市間を6泊7日で列車は走り抜ける。シベリアの草原を行く列車は、途中で世界最高の透明度を誇るバイカル湖のそばを経由する。

なんてロマンチックな列車だろう、という感慨とともに私がシベリア鉄道のことを知ったのは、いつのことだったか正確には覚えていない。けれども、23歳くらいの頃、「いつか乗りたいなあ」と友人に話した記憶が確かに残っている。それ以来、実に5年を経て、夢を実現する運びとなった。

2016年5月末、当時勤めていた会社をいろいろな事情で退職することになり、それならば海外を旅行したい。どこへ行こうか。と考えた時に、「シベリア鉄道に乗る」という言葉が頭の奥で静かにこだました。その発想はとてもしっくりと、当時の私に足りていなかった何かを埋めた。かちり、と頭の奥で欠けていた線路の一部がはめこまれ、何かが一直線になる感覚だ。そうだ、シベリア鉄道に乗りに行こう、と私はすぐに心を決めて、退職後の計画を立て始めた。

旅の計画はシベリア鉄道から

なるべく長い旅行がよかった。今まで海外に長く滞在した経験といえば、語学の短期留学のためにロンドンで1か月を過ごしたことが滞在期間では一番長く、それに次いで学生時代のロシア旅行、そして退職の前年秋にひとりで出かけたスイス旅行がどちらもおそらく12日ほど。

今度は都合が許す限り目一杯に長く、旅行をしてみたい。出発の予定は6月。そして8月には帰国しなければならない個人的な事情があった。だから、約2か月の旅行を想定して計画を立て始めた。

旅の出発点に、シベリア鉄道があった。ウラジオストクからモスクワまで駆け抜ける。私にとっては夢のような旅だ。そしてサンクトペテルブルクに、ロンドンで知り合って以来親交が続いている友人がいる。学生時代に一度、ロシアまで彼女を訪ねたことがあるけれど、3歳年上の彼女は結婚し母になったという。子どもがまだ小さいので迷惑だろうかとも思ったけれど、悩んだ末、今回もやはり彼女と連絡をとり、サンクトペテルブルクを訪れることにした。

念願の地であるイギリス

学生時分にロンドンでひと夏を過ごして以来、心の一部分があの街につなぎとめられているような気がしていた。今思えばたぶん束の間の留学生活をよほど楽しんだということなのだろうけれど、ロンドンは私にとって初めてのヨーロッパで、私の人生に多大な個人的衝撃をもたらした。歴史を経た街並みは素晴らしい景観でありながら、私のような新参者を水を含ませた綿のように吸収してくれる気がした。魅惑的なイギリスのパブ文化や、開放的なヨーロッパの空気が、きっと若くて世間知らずだった学生を虜にしたのだろう。

今回の旅行のことを思い立った時、シベリア鉄道のほかにもうひとつ頭に浮かんだのが「イギリスを再訪する」ことだった。始まりはウラジオストク。モスクワ、サンクトペテルブルクを経由して、フィンランドのヘルシンキまで列車で抜ける。そして最終的に、イギリスへ。ずいぶんラフではあるけれど、こうして旅の大枠ができあがった。

旅のルートが決まらないまま準備へ

列車でロシアを横断してヘルシンキに抜けてから、どのようにしてイギリスを目指すのか、その行程が見えないまま、ロシア旅行の準備を始めることになった。日本人がロシアを旅するにはビザが必要で、そのためにはホテルや航空券の手配を済ませなければならない。出発は6月。旅の大枠ができた時には春になろうとしていた。このようにして、見切り発車で旅の準備を始めることになった。

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