シベリア鉄道で暮らすように過ごすために。持ち物10選

シベリア鉄道

日本のお隣、ウラジオストクから西のモスクワまで、6泊7日でロシアを駆け抜ける世界最長の路線、シベリア鉄道。乗客は1週間ほどを列車の中で過ごすのだから、シベリア鉄道は「移動手段」であると同時に「束の間の住居」でもある。

今回は、そんなシベリア鉄道にこれから乗車しようという方に向けて、車内で快適に過ごすために持ち込むべきお役立ちアイテムをご紹介します。

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乗車後はみんなパジャマで過ごす。衣服編

シベリア鉄道に乗り込んだら、堅苦しい服はさっさと脱ぎ捨ててパジャマに着替え、「家モード」でだらだらするのがロシア流。日本の私達もシベリア鉄道の車内では、精一杯にだらだらすることをおすすめする。

リラックス部屋着

列車に乗り込んだらまず、他のロシアの人々と同様に、さっさとラフな格好に着替えてしまおう。ロシアの人達は、ゆるっとしたTシャツやスパッツ、ズボンなどで日中を過ごし、同じ服のまま就寝。次の日も同じ服でのびのび、細かいことにはこだわらずに、よほど汚れない限りは同じ部屋着で過ごしている。

気を付けたいのはトマトを食べる時。シベリア鉄道に食料を持ち込むのに、日持ちのする野菜のひとつであるトマトは必需品。トマトにかぶりつく時は「ぶしゃっ」と中身が飛び出て服を汚さないようにご用心。

防水性のサンダル

こちらも車内でのんびり過ごすのには欠かせないアイテム。サンダル選びでのおすすめのポイントは2つ。まず「防水であること」。シベリア鉄道のトイレの床は残念ながらしばしば濡れている。車掌さんがこまめに掃除してくれることもあるけれど、不測の事態のために防水仕様であることは不可欠だ。

それから「着脱しやすいこと」。車内ではサンダルを着脱する機会が多く、特に上段のベッドを使う場合は、階段を昇り降りするたびにサンダルを脱いだり履いたりする。だから鼻緒があったり親指のところが輪っかになっていたりすると、ほんの少し、使いにくい。足の横幅全体を覆うタイプのなるべくゆったりしたタイプがおすすめである。

貴重品用の小さなバッグ

これは必需品。もちろん「お金やパスポートは服の下に隠すんでい」という方以外の話。トイレを使うたびに大きなかばんを持ち歩くのは面倒だし、道々で停車する駅に降りてしばしの散歩をすることもある。その際は最低限の必需品、パスポートや現金、カード類は肌身離さず持ち歩きたい。だから持ち歩きがなるべくストレスにならない、コンパクトなバッグがあると心強い。

ちなみにシベリア鉄道の車内は結構ピースフルな空間である。他人同士がごちゃ混ぜになっているんだけれど、皆さん束の間の共同生活を楽しんでいる、といった様子。それでも、ロシア人ですら貴重品は持ち歩く。自分の身は自分で守りたいものである。

部屋で素朴なメニューを楽しむために。食事編

シベリア鉄道には食堂車もあるけれど、お値段は高く、味もそれほど好評ではないというのが実情。ロシアの人達はある程度日持ちのする食料を持ち込んで、同室の人と分け合いながら部屋で食事を楽しんでいる。乗車前には食料を選ぶと同時に、カトラリー類もそろえて臨みたいところ。

ナイフ

これがあるのとないのとでは、旅の食事は大きく変わる。小さなもので結構。ロシアだけでなく海外のスーパーでは、肉類、チーズ類が塊で売られていることが多い。スライスされたものもあるけれど、選べるものが限られるし、保存もしにく、塊のほうが安いこともある。だから小さなナイフがあれば食材の準備で大変役に立つ。

それにお惣菜のサンドイッチでは日持ちがしないけれど、パンや野菜を切って、即席のサンドイッチを作ることもできる。特にお料理好きな方。長旅で自炊ができないストレスを、サンドイッチ作りにぶつけてみてはいかがだろう。

耐熱マグとお好みのホットドリンク

シベリア鉄道に乗車したら、まず目に入るのが大きなタンク。「サモワール」と呼ばれる湯沸かし器である。いつも熱湯がためられていて、乗客は好きな時に、好きなだけ使うことができる。

だから耐熱のマグカップと好きなドリンクを持ち込もう。陶器のマグカップは重くてかさばるので、登山用など薄い金属製のものが使いやすい。コーヒーや紅茶を飲みながら、車窓の外に流れるシベリアの大自然を眺める贅沢なお茶のひと時を楽しめる。

ただしサモワールの形状からして、ドリップコーヒーは使いにくいのでおすすめしない。粉を溶かすタイプのコーヒーを小さな袋に入れて持ち込めば便利だろう。

この熱湯サービスのおかげで即席味噌汁やインスタントラーメンも準備でき、食事のメニューがぐっと豊かになるので実にありがたい。車内や駅のキオスクでは「ラプシャ」と呼ばれるロシア風インスタントラーメンも購入できる(見た目はどう見てもラーメンなのだけれど、ロシア人に「ラーメン」と言っても通じない)。そこそこのお味でロシア人も車内でしょっちゅう食べている。ぜひ試してみよう。

お弁当用のおはし

車内で食事をする上では、おはしをひとつかばんに忍ばせておけばやはり便利である。持ち運びやすく、洗いやすいものであればなんでもいいだろう。

ちなみに乗車したらささやかなスナック類と水の入った紙袋が一人一人に配られる。その中にプラスチック製のフォークとナイフ、スプーンも入っており、これが案外使える。小さな野菜ならこのプラスチックのナイフでも皮をむく程度なら可能。筆者が列車で乗り合わせたロシアのお姉さんがこのナイフで指を切っていたので、プラスチックだからといって侮るべからずである。

お風呂に入らなくても快適な旅を。衛生編

お風呂もシャワーもないシベリア鉄道。毎日お風呂に入るという皆さんは、1週間を車内で過ごすなら、それなりに覚悟して列車旅に臨もう。トイレは時々掃除されるけれど、いつもきれいとは限らない。なるべく衛生面の不快をなくすためにご紹介したいアイテム達です。

無印のせっけんフィルム

無印良品から販売されている、フィルムタイプの石鹸。フィルム1枚で結構泡立つし、かさばらないしであれば重宝する。おはしやフォーク、スプーンくらいならこの石鹸フィルムで十分洗うことができる。

洗面道具を入れる手提げ袋

シベリア鉄道にはトイレはあるけれど洗面所はない。だからトイレの水道で歯みがきも洗顔も済ませる。列車は揺れるし、私物を置くことのできるスペースもあまりないが、壁にフックが取り付けられているので、手提げ袋があれば便利である。歯みがき中はタオルや化粧ポーチ等をそこに入れておけばいいい。

基本的に車内では、使わない荷物は下段のベッドの下にしまいこんでしまう。だから最低限の日用品、着替え等はベッドの端などに小さくまとめておこう。洗面道具類は、手提げ袋をひとつ準備していつもそこに入れておけばよい。ちなみにベッドの壁沿いにもフックや小さな荷物棚が取り付けられている。

必要な物さえ入れば袋類はどんなものでも構わないのだけれど、誰かが部屋で寝ている時に使うこともあるので、シャカシャカ鳴らないタイプのほうが親切である。

トイレットペーパー

自前のトイレットペーパーが、可能なら2ロールあれば心強い。車内の衛生環境については、基本的に車両ごとに配置された車掌さんが面倒を見てくれる。しかしトイレットペーパーが切れているタイミングはどうしても時々ある。だからトイレを使う時は、自前のペーパーをいつも持ち込むようにすれば安心。

鼻水も拭けるし、お茶をこぼしたテーブルも拭ける。多めに常備しておくと何かと使える。

ウェットティッシュ

お風呂に入れないシベリア鉄道での不快感をなるべく軽減するためにも、手軽に体を拭くことのできるシートを準備しておこう。できれば「汗拭きシート」タイプと「除菌シート」タイプの2種類を持っていきたいところ。

というのは、シベリア鉄道ではトイレの便座が結構な確率で汚れている。揺れる列車の中で用を足すと、往々にそういうハプニングが発生してしまうのはわかるにしても、その後放置されているから困ったものである。

けれどそんなトイレでも使うしかない。そこで役に立つのが「除菌シート」と「トイレットペーパー」。まず、乾いたトイレットペーパーで便座を拭く。それからウェットな除菌シートでもう一度拭き、最後にもう一度、乾いたペーパーですべての水分を拭き取ってできあがり。この3ステップで大体のストレスは軽減できる。トイレ事情については、乗車しているうちに次第に慣れますのでご安心を。

身軽に楽しみたいシベリア鉄道

以上、あれこれとおすすめアイテムをご紹介してきたけれど、持ち物は最低限に、身軽にシベリア鉄道の列車旅を楽しんではいかがだろうか。

列車に流れているのは牧歌的な時間。1週間も列車の中で過ごすなんて、なんと退屈な、と思われるかもしれないけれど、美しい車窓の景色を眺め、時々駅で散歩しながら過ごしていれば時が過ぎるのはあっという間。モスクワに近づく頃には、列車を去ることへの物悲しさで胸がいっぱいになる。

街から列車が離れていれば、インターネットの電波もろくに届かない。そんな素朴な列車旅を楽しむことができるのも、シベリア鉄道の魅力のひとつである。

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