ロシアの「人口」と主な都市について

広大な国土を誇るロシア。世界地図を広げてみると、なんだか世界の4分の1くらいはロシアなんじゃないかという気すらしてくる。

その広々としたロシアの大地に、どのくらいの人が住んでいるかご存知だろうか?今回はロシアの人口と、人口のランキングで上位を占める主要都市について記したい。

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2017年、はじき出されたロシアの人口は1.4億

この数字を見て、気づくことはありませんか?

そう。全ロシアの人口は、この手狭な島国、日本とそれほど変わらない。2017年8月時点で、日本の人口統計は1億2483万1千人。15歳未満、15歳~64歳の年齢層で前年より人口減、65歳以上で前年より微増。そんな少子高齢化社会の進行が社会問題となっている日本、その面積は約38万平方キロメートル。これは世界総陸地面積の0.25%にあたる。世界はでっかい。

対してロシアの国土面積は、1700万平方キロメートル(そのうち約500万平方キロメートルはロシア連邦を構成する共和国)。世界総陸地面積ランキング、堂々の第1位。その面積は世界の陸地の11.5%にあたる。冒頭の4分の1というのはさすがに言い過ぎだけれども、陸地についていえば世界の10分の1はロシアが占めているというわけだ。

ロシアの国土面積は、日本の約45倍。それにも関わらず、住んでいる人間の数は大体同じ。意外な数字の共通点にも驚かされるが、いかに日本が混雑した国であるか考えると、ちょっと気が遠くなる。

そこで気になる人口密度をはじき出してみる。日本の場合は、1平方キロメートルに住んでいる人数は328人。そしてロシアはというと、1平方キロメートルあたりに8人と少し。有り余る土地が透けて見えるかのようである。ただしロシアの人口は南部の大都市に集中しており、国土全体に人口が薄く均一に分布しているわけでは、もちろんない。

内わけ―ロシアで人口の多い都市をご紹介

ロシアでは国土の北側に圧倒的な自然が広がるゆえ、多くの人は南部に居住している。シベリア鉄道は針葉樹林帯であるタイガの緑の中を一直線に横切り、その沿線にはぽつりぽつりと集落が点在する。ロシア政府の統計によると、農村地域に暮らす人々の割合はたったの26%で、人口の大半を占める74%は都市部に居住しているという。

人口の多い都市と言えば、首都モスクワは思い浮かぶけれど、しかし他は?上位5つの大都市をご紹介する。

第1位 モスクワ 人口1151万人

世界の名だたる国際都市に名を連ねる首都モスクワは、他の都市と比べて人口においては群を抜いている。大統領府のあるクレムリンを中心に発展した街で、そこから放射状に道路が張り巡らされ、クレムリンや赤の広場の周辺には巨大なビルが立ち並ぶ。

クレムリンや赤の広場だけでなく、美術館や聖堂など数多くの見どころを備えた大都市である。街自体の歴史も長い。最も古い記録では1147年にはこの地でキエフ大公国の会合が行われており、その後モンゴルやナポレオンの侵攻で街をたびたび破壊されながらも、そのたびに復興を遂げてきた歴史を誇る。

しかし現在「歴史を感じさせる古色蒼然たる街並み」はモスクワではあまり見かけない。むしろ街並みは非常にモダンで、いかにも「近代都市」といった様子である。ロシアの政治と経済の中心地として発展を遂げてきたということがその街並みからも容易にうかがえる(ちなみに上の写真は「スターリン様式」と呼ばれる20世紀の高層建築。スターリンがニューヨークの摩天楼に対抗して作らせた。モスクワにはスターリン様式の建物が7つあり、「セブンシスターズ」として人気の観光スポットになっている)。

観光するなら、訪れたいポイントを事前にチェックして、計画的かつ効率的にまわるのがよいだろう。街自体は巨大なので、地下鉄やトラムを活用し「歩きすぎないこと」が大切。

第2位 サンクトペテルブルク 人口484万人

次に人口が多いのはロシア第2の都市サンクトペテルブルク。モスクワと比べるとその人口は半分以下。ただその歴史を紐解けば、この街はモスクワに比べて非常に新しい。ピョートル大帝によりサンクトペテルブルクの街が築かれたのは、1703年、たった300年前のことである。

その名前の変遷も有名である。「サンクトペテルブルク」とは「聖ペテロの街」を意味するが、ピョートル大帝は自分と同名の聖人の名前を冠し、ドイツ語風の名前を街に与えたのである。しかし第一次世界大戦でドイツが敵対国となり、ロシア風の「ペトログラード」に改称された。さらにソビエト連邦成立後は、レーニンの名を冠し「レニングラード」となったが、1991年のソ連崩壊後は「サンクトペテルブルク」に名が戻されている。

バルト海の最奥部、フィンランド湾の沼地を開拓して造られたこの街は、モスクワとは対照的に非常にヨーロッパ的で垢抜けている。西洋の解放感とソビエトの社会主義が街の中で混じりあい、活気と哀愁をもたらしている。

旅行の日数が限られているなら、モスクワよりもサンクトペテルブルクに長く滞在することをお勧めする。ネヴァ川のほとりにたたずむ情緒のある街で、散歩するのにぴったりの気持ちの良い街だ。筆者も住んでみたいとすら思う。

第3位 ノヴォシビルスク 人口147万人

さてこのあたりから、トップ2つの都市に比べ国際的にはずっと知名度の低い、ロシアの地方都市が登場する。モスクワ、サンクトペテルブルク、その他はどんな街があったっけ?と思われるかもしれない。

ロシアの南部にはシベリア鉄道が東西に走っているが、ノヴォシビルスクはその沿線のほぼ中心に位置する。「新しいシベリアの街」を意味する街の名前が表すとおり、1893年に建設されてから急速に発展を遂げた都市である。

モスクワは政治と経済の街、サンクトペテルブルクは芸術、そしてノヴォシビルスクは工業の年である。元々は街のそばに横たわるオビ川に鉄橋を架けるため、その拠点として築かれたのがノヴォシビルスクであった。

ロシア第3の都市というだけあって近代化が進んでおり、地下鉄も走っているが、あちこちに前世紀の建物が残っている。古いものと新しいものが共存している都市と言える。

第4位 エカテリンブルク 人口135万人

photo by kov09

ロシア西部を南北に分断するウラル山脈の中央部、その東側に位置する大都市。都市の規模では、モスクワに近い都市二ジニ・ノヴゴロドをエカテリンブルクよりも上位に位置付けることもあるようだが、人口だけを見ればエカテリンブルクのほうが優位である。

街の名はピョートル大帝の妻エカテリーナ1世にちなみ、1723年に建設された。ロシアで工業化が進展する最初期に建設された工業都市のひとつであり、当時から中心的産業であった金属工業に加え、現在は製鉄業や機械工業もさかんである。またロシア革命においては皇帝ニコライ・ロマノフとその家族がこの地に送られ、虐殺されたことでも知られる。

エカテリンブルクの見どころのひとつは、ヨーロッパとアジアの境界を表すオベリスク。それからニコライ一家が惨殺された跡地に建設された「血の上の聖堂」。街の中では近代と現代の建物が共存し、ヨーロッパの気配が色濃く漂う。

シベリア鉄道の交通の要衝でもある。シベリア鉄道の本線と南北へ走る支線、そしてカザフスタンへと抜ける鉄道線が交錯する中心にエカテリンブルクが位置する。鉄道でロシアを旅するなら、ぜひ下車して観光したい都市である。

第5位 ニジニ・ノヴゴロド 人口125万人

西へ向かうシベリア鉄道がモスクワへと至る少し手前に位置する都市、ニジニ・ノヴゴロド。その規模においてエカテリンブルクと順位を争う大都市である。ただしその近郊も都市圏とするなら人口は合わせて200万人ほどとの見方もある。自動車工業により栄えた工業都市である。

街の景観を特徴づけるのは、丘の上にぐるりと建てられた赤茶の石塀。15世紀に建設されたクレムリンで、街の最古の建物である。「クレムリン(ロシア語ではクレムリ)」といえばモスクワのクレムリンを指すことが多いけれど、元々は「城塞」を意味する一般的な語で、クレムリンは各地に存在する。

ニジニ・ノヴゴロドのクレムリンも、有名なクレムリンのひとつ。ユネスコの世界遺産にも指定されている。街を流れるヴォルガ川とオカ川が合流する丘から、500年以上もの間街を見下ろし続けている。

ソビエト連邦時代、軍需産業がさかんであったこの街は閉鎖都市として外国人の出入りが禁止された。街の出身者で文学者のゴーリキーにちなみ、「ゴーリキー」と街が呼ばれていた頃の話である。1970年代半ばまでは、国防のため市内地図すら配られていなかったという。街の閉鎖が解除されたのは、1990年のこと。同時に街の名も、ゴーリキーより古来からの地名、ニジニ・ノヴゴロドに戻された。

ニジニ・ノヴゴロド以下は、オムスクやカザン等、人口110万前後の地方都市が6つか7つ居並ぶ。その下にはさらにマイナーな都市が延々と続く。ちなみに日本に近い都市、ウラジオストクの人口は、2017年時点で61万人。ハバロフスクも同様に61万人である。中規模の都市・町をあわせて2000以上あるロシアの都市を順位付けすると、だいたいこれらの極東都市の人口は25位くらいにつけている。

ロシアには魅力的な地方都市がたくさん

モスクワ、サンクトペテルブルクの他にも、特色ある地方都市がロシアには散らばっている。どの国についても同じことは言えるけれど、ロシアはあまりにも広大で、その魅力を一度に見て回るのはとても不可能だ。ここで挙げたような主な地方都市ですら、一度にすべて回るには相当の日数が必要だろう。

いつかビザも、滞在登録も気にすることなく、広大なロシアを自由に歩き回れたら。そんな希望を抱きつつ、今は地方都市の魅力を掘り起こしながら、気長にその機会を待つことにしよう。

※ロシアおよび日本の人口については以下のWEBサイトを参考資料としております。

World Population ReviewーRussia Population 2017

RUSSIAN FEDERATION Federal State Statistics Service

総務省統計局ホームページ

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