日本とロシアの重なる街、サハリン州都ユジノサハリンスクの見どころ7選

かつて日本がサハリンを「樺太」として統治した時代に「豊原」と名付けられた街。ロシアによるサハリン支配以降は「ユジノサハリンスク」と名を変え、現在はサハリン州州都として機能する。日本統治時代の建物はほとんど残されていないが、現在まで形を留めているものも中には存在する。今回はそんな哀愁の漂うユジノサハリンスクの見どころをご紹介する。

top image by Raita Futo

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サハリンへの行き方

サハリンへ渡る方法は大きく分けて2通り。飛行機で東京・札幌からユジノサハリンスクまで直行便で飛ぶ方法。それから北海道北端の街、稚内からフェリーでサハリンの港町、コルサコフへ渡る方法である。

費用については以下の記事で詳細に比較しているので、もしよろしければ参考にされたい。運賃だけを比べるなら稚内発フェリーのほうが若干安い。しかし稚内までの移動費をふまえると、遠方から訪れるならフェリーが安価であるとは言い切れない。

サハリン(樺太)行きのフェリーと飛行機の費用について

それに稚内発フェリーを使えばビザなしで旅行が可能であるという恩恵を被ることができる。最終的には旅行会社に頼るわけだが、旅行の計画を立てる時は交通費とビザ手配の手間等をトータルで考慮する必要がある。フェリー使用時のビザなし適用条件等はこちらの記事にて詳述している。

サハリン(樺太)に行きたい!フェリーとビザなし旅行について

ユジノサハリンスクの市内交通

ユジノサハリンスクの都市の骨格は「豊原」時代に形作られた。札幌が手本となったこの街は東西南北に街路の走る、碁盤目状の街並を呈している。なので街の地図は非常に明快。中心部の西端には鉄道駅・ユジノサハリンスク駅があり、線路と並行してレーニン通り、平和大通りが街を南北に貫いている。それらの目抜き通りを、サハリン通り(旧真岡通り)、コミュニスト大通り、勝利大通りが東西に交差する。

いくつかの見どころが徒歩圏に点在しており、郊外の観光地へもバス、マルシュルートカ(小型バス)が出ているので移動は容易である。市内中心部には7・19・20番のバスが市内を循環して環状に走っているため、道迷ったらそれに飛び乗り、元の場所まで戻ればよい。バス、マルシュルートカ共に運賃は各15p。それぞれ車掌か運転手に支払う。

サハリン州立郷土博物館

image by Raita Futo

代表的な見どころであるサハリン州立郷土博物館。今となっては貴重な日本時代の面影を現代に伝える建築物である。1937年7月、この建物は樺太庁博物館として開館し、終戦直後にソ連によって接収された。

日本時代の展示内容を継承しており、サハリンの動植物、民族、歴史等、テーマ別に展示がなされている。ソ連時代、日本に関連する資料は一切展示されることがなかったが、ソ連崩壊後に復活。現在は豊原時代を知る手がかりとなる資料も閲覧することができる。

建設当時の姿を留めているが、庭園は美化が進み、植樹された桜が春には素晴らしく咲き誇るのだとか。正面玄関では、護国神社から移設された狛犬が来館者を出迎える。

ユジノサハリンスク駅からコミュニスト大通りを歩き、徒歩約20分で到着する。

サハリン州立美術館

photo by Blacklake

郷土博物館と並ぶ、日本時代の代表建築。現在は美術館として使用されるこの建物は、かつて北海道拓殖銀行豊原支店であった。竣工は1930年代であったと言われ、往時の佇まいを偲ばせるモダンな石造りの建物である。同時代の銀行建築では主流であった、新古典主義的な建築様式を踏襲している。

収蔵点数は約1万4000点。近現代を中心とする美術作品に加え、北方の少数民族の生活用品や工芸品、それに宗教画やイコン画も展示されている。ユジノサハリンスク駅から徒歩5分。

ガガーリン記念文化公園

photo by Raita Futo

ユジノサハリンスク中心部の東に位置するガガーリン記念文化公園は、サハリン市民にとって緑あふれる憩いの場。公園北側のヴェルフネエ湖は豊原時代に王子ヶ池と呼ばれ、貯水池として使われた。春には桜が美しく、夏には園内でビアガーデンが開催される。

7・19・20番の市内循環バスで訪れることができるが、もしユジノサハリンスク駅から歩くのならばサハリン通りを東に直進、徒歩30分の道のりである。

山の空気展望台

photo by Tatters

市街地東部の高台にある展望台。豊原時代には旭ヶ丘展望台とも呼ばれた。ユジノサハリンスクの街並を一望できるので、サハリン訪問の記念に訪れてみよう。近年、冬になるとこのエリアはスキーリゾートとして賑わいを見せる。極東ロシアの都市ウラジオストクやハバロフスクからもスキーヤーがこぞって訪れるという。

アクセスするには7番のバスに乗り、勝利広場(Прощадь Победа プローシャチ・ポベーダ)で下車。広場のスタジアム付近から山頂を目指すリフトを利用する。

チェーホフ文学記念館

市街のほぼ中心に位置し、チェーホフ劇場に隣接する。ロシアの文豪チェーホフは1890年にサハリンに渡り、当時はロシア最果ての流刑地であったサハリンの実態を調査したという。その際の様子は彼の著作『サハリン島』に記されている。

館内ではチェーホフのサハリン滞在について展示されており、他にも19世紀サハリンの様子を伝える当時の日用品等を見学することができる。

ユジノサハリンスク駅から徒歩17分。

鉄道歴史博物館

photo by Raita Futo

ユジノサハリンスク駅近辺にサハリン鉄道に関する博物館がある。目印は駅前広場で展示されている、日本時代の蒸気機関車D51。その裏手の屋内展示室では、日本時代を含めたサハリンの鉄道史について詳しく展示している。

駅から線路に沿って北へ3分ほど歩くと鉄道車両の展示場がある。様々な車両を見学でき、旧ソ連製の蒸気機関車にディーゼル機関車、それにJR東日本から寄贈されたK型ディーゼルカー(キハ58)等が並ぶ。鉄道ファンなら垂涎ものである。

車両展示場のそばには、日本時代に建てられたレンガ造りの倉庫が残されている。鉄道に加えて、こちらもお見逃しのないように。

自由市場

photo by Peter

旅先では庶民の台所ともいうべき市場や、スーパーマーケット巡りを楽しむ方も多いのではなかろうか。おすすめなのがこちらの自由市場。ユジノサハリンスク駅から線路沿いに北へ約7分歩いたところに位置する。

屋内型の市場で、海産物、野菜、果物等の食料品に加え、日用品に衣類等、幅広く商品が取りそろえられている。テイクアウト可能なファーストフードも売られているので、お昼ごはんを食べがてら、地元の雰囲気を楽しむのがいいだろう。

ユジノサハリンスクからサハリンを訪ねる

サハリン州都のユジノサハリンスクにおいて、日本の面影を見出せるのはわずかに現存するいくつかの建造物のみとなっており、その点には哀愁を感じずにはいられない。しかしソ連時代に消滅を免れたそれらの建物が、ロシア側によって現在も大切に使われていることについては感慨深いものがある。

19世紀から第2次世界大戦にいたるまでの激動に満ちたサハリンの歴史を日本史と共に学ぶ。サハリン訪問はその素晴らしい契機となるだろう。サハリンの中に日本の名残りを探しつつ、ロシアの異国情緒に浸りつつ、サハリン旅行を楽しんでみてはいかがだろうか。

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